深い軽さに隠された「監獄＊ROCK YOU！」

深い軽さ〜私は気弱な性質をバレないように、でも半分バレながら生活している。ビクビクして日々を過ごしている。ちいさなマイノリティ感。大人の事情協議会の「監獄＊ROCK YOU！」をZOOで見る。

チラシを斜め読みをした時はまったくイメージが浮かばなかった。しかし芝居が開始されてすぐ全容がわかる流れになっていたので安心した。楽しくなった。その楽しさもつかの間。ディストピアもののような雰囲気。

ふと映画ブレードランナーのレプリカントの悲哀を思い出し、自分の中の小心が自分を攻撃してくる。こんな自分にも生き場所はないのかなとも思う。しかし、そこは実に軽やかに話しが進んでいくのがとっても良かった。「浅い軽さ」ではない。「深い軽さ」なのだ。

僕のこの軽さはとっても大事だと思っていて、シリアスを同じシリアスな熱量で返されると辛いのである。その点、このお芝居のライト具合は実に心に入りやすい。進行はテンポ良く、要所を押さえた演出で無駄がない。少し早めなくらいが現代のドラマらしい。

役者の多いお芝居であると思うが、描き方がわかりやすく、混乱することはない。母の不在から母の登場。母性のメタファーのような優しさがあって、とっても気分の晴れやかな作品だった。引き継がれる母の誕生の物語なのかなと思う。学生さんから大人までおすすめできる。芝居を見にまちに出よう。

｜監獄＊ROCK YOU！｜ 11月1日(金)19時｜2日(土)14時/19時｜3日(日)13時/17時シアターZOO 3,000円｜学生2,500円｜しましま割 2,500円｜ペンライト付き｜3,000円｜小学生以下無料