「アート」の結合の発見
- Category:Art / Culture
- Date:2025年10月15日
鉄と光の芸術祭2025 ムロランアートプロジェクト
「まち」と「アート」の結合の発見
室蘭に最近オープンした「無印良品」の路面店。建物の存在感。広い駐車スペース。とても素敵でした。ほか続々と商業施設が増えて、室蘭は新しいフェイズを迎えていると感じる。奇しくも、そのムーブの少し前に都市型芸術祭として生まれた「ムロランアートプロジェクト」は、この室蘭の進展とシンクロシティを感じざるを得ない。
まち歩きとアート。今回の本芸術祭、どの展示も魅力があり見応えがある。個人的に、特に印象に残った展示を紹介したい。それは、千穐萬歳堂での2つの展示、石田勝也と室蘭工業大学山田研究室である。
理由をまず軽く書くと、この2つの展示が、同じ会場の別作家との連携性が感じられたこと。さらには、千穐萬歳堂という、室蘭でもかなり長い歴史を持つ現存の歴史的建造物で表現されたことに都市芸術祭としての位置づけに強いシンクロ率と、表現の魅力の両方があった。ストーリーの大切さ。一番室蘭との距離、密着感を感じたのだ。
細部を書いていこう。大正時代から、100年前にここの「在りつづけた」石造りの千穐萬歳堂。もとは倉庫であった。その周辺の時間と風景が変化し続けたこの建物はひとつの「証人」であるといえる。そこに1Fの石田は、室蘭の東西南北の音をフィールドレコーディングし、それを元に音と光のインスタレーションをおこない、密閉されたと感じる空間に、室蘭の「情報」が集積されミニマムな空間が同時に、室蘭を体感できる場が作られていた。
階段を上がって2F、もうひとつの会場。室蘭工業大学山田研究室。普段は、ホワイト・キューブな空間、木枠を思わせるフレームに「窓」が出現し、実際に外にある風景映し出し「メディア化」され、それがさらに作家視点な調整とアレンジがおこなわれアート作品として昇華されている。
1Fの音と光。2Fのビジュアル。それを包み込む歴史的現像物。私の心の時間軸を揺らす体験だった。 言いたいことは、来年も楽しみということだ。 アートと室蘭のまちが。
鉄と光の芸術祭2025 ムロランアートプロジェクト
作家 石田勝也『風音ーかざね』風の音を聴けVer
室蘭工業大学山田研究室 『千穐萬歳堂に窓』
会場 千穐萬歳堂 北海道室蘭市海岸町3丁目2−10
https://senshubanzeido.com/
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