内気なドラゴン

「ドラゴン」や「勇者」と聞くと、「RPG？」と連想する。そういえば、そんなゲームもしばらくやっていないなぁ。ついていけるかな、なんて思っていた。始まってみると、舞台にはセットがなく、照明に囲まれた2人のキャストだけというシンプルな構成。クール。小野寺愛美の現代的でチャーミングな雰囲気がとても良かった。若さよりも才能が前に出ている感じで、嫌味がない。

勇ましいファンタジーな世界観でありながら、どこかオフ・ビートな空気感。それでもしっかり助け合い、戦い、でも“オフ”に終わる。そんな、センスの良い小技が効いた良作だった。見終わった瞬間「また観たい」と思わせる。優勝作品というのも納得だ。

2本目の作品も、同じくセットなしの“剥き出し”の舞台。4人の俳優が30役以上をこなしながら、スピーディに人生のドラマを描いていく。まるで走馬灯のような構成で、シリアスなテーマを扱いながらも、視点は前向き。多分、自分もこの中の誰かになれそうな気がした。

両作品に共通するのは、斜に構えない脚本と演出。「また観たくなる」要素がたっぷり詰まっている。2本立てという構成は制作側にとっては大変だと思うけれど、観る側にとってはかなりお得な感じがする。

公演前にファクトリーでは「できたて屋」でごはん。

ばいあすみー #1 「勇敢なドラゴン」×「Who Are You? Who Am I?」

2025年 4月18日（金）19:30

｜4月19日（土）13:00／17:00｜4月20日（日）13:00

演劇専用小劇場BLOCH（北３条東５）

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#勇敢なドラゴン