異質な祝祭
- Category:Art / Culture
- Date:2025年08月17日
温かい作品〜蜂の巣には、まだ見ぬ秘密が潜んでいる。そんなことをふと想いながら、大通公園を歩いていた。陽射しは容赦なく、ただただ暑い|グラフィックデザイナーとは、名を伏せた存在だ。自らを語ることはなく、作品に署名することさえ稀だ。展示のために作られるのではなく、裏方に徹しながらも、実は世界を組み立て、かたちを与え、ひとつの流れへと収束させてゆく|対照的に、美術家は自己を出す。名前と作品は分かちがたく結びつき、展示の場こそが舞台となる。グラフィックデザイナーにとって展示とは、日常から切り離された、少し異質な祝祭のような時間なのだ|市内の二人のデザイナーによる展示を訪れた。作風は異なりながらも、そこに漂う気配は澄みきっていて、まるで語りかけてくるように親しい|アート作品が時にシニカルでだったり、ナイーブな距離感があるのに対して本展示は不思議と寄り添うような温かさを放っていた。温かさの中で弛緩することなく作品はたしかな輪郭を保ち続けている。そこには、グラフィックデザイナーならではの構成の力、全体を支える静かな意志が宿っていた。私はそこに二度感心をするのだった。温かい。
源寺咲希・早坂宣哉展 「onono」おのおの
会場:らいらっく・ぎゃらりい (南1西2)
会期:8月12日(火)- 8月18日(月) 最終日は17:00まで
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