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NUMERO DEUX / 石川伸一 札幌の文化や芸術

部屋の中の多重な自分世界

部屋は社会の延長〜現代美術ギャラリーCAI03。昭和57年に建てられたアパートの中にインストール。6つの展示スペースがある。本建物には人々の生活感に根ざした深い積み重なった生活感、その中にあるアートスペース、というのが、なんとも良い感じで調和している

本展示では張 小船「 狂った滑り台、沈黙する舌」“Lonry consumer:my two best friends”が一番印象に残り、書いてみようと思う。

3者の中ではもっとも「部屋」が意識されていると感じる。入口にレシートの「のれん」があるのに強い共感。自分も帰宅するとき、一番カラダに纏っているのはレシートだ

支出の記録・欲望の記録・マイナスの記録|部屋にあると、そんなマイナスが霧となるような空間。パラダイスではないが、ネガティブでもない中和された空間の中

ひとりの自分も外の残骸を身にまといながら、もうひとつの個の「ような」自分となる|部屋は安心と病み隠されている場所なのだ|

安全地帯は危険地帯|だから安心できる|本作品は、部屋=プライベートの思想から、現代のインターネットとその電波が覆う社会では、部屋=もうひとつの社会という内宇宙があるのだ|他作家について川村 正寿の平面作品の魅力。今村育子の作品が機材不調で体験できなかったのが残念。 アパートⅡ -3人の住人たち - Apartment II – Stories of Three Residents 今村育子: 川村 正寿: 張 小船 2025.9.27 – 11.2 | 13:00 – 19:00 CAI03 (南14西6)
https://cai-net.jp

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