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NUMERO DEUX / Shinichi Ishikawa

無題

芸術家をつくる
ストーリー
作家に必要なのは、まずセンス。しかしそれ以上に大切なのは「続ける意思」だと思う。ただし、ただ続ければそれで凄い、というわけではない。そんなに単純ではないと思う。続ける中で、たとえわずかでも進化し、アップグレードしていくことが重要だ。前だけを見るのではなく、ときには横に目を向けながら歩むこと。それこそが作家性を強くしていく。さらに言えば、常に100点を出し続けることが正解ではない。100点点先、101点を目指す姿勢こそが、アートの本質なのだと思う。
クスミエリカの作風といえば、デジタルを駆使した写真コラージュ。その「目に見えやすい」作家性も魅力的だが、私が心を動かされるのは別のところにある。それは、20代から今日まで、ひとり静かにコラージュを作り続け、機会を見つけては出品や展示を重ねてきた、その姿勢だ。
彼女の作品は、非日常を日常へと引き寄せるような独自の作家性を持っている。そしてその性質は、日々の生活を送りながら、さまざまな影響を受けつつ少しずつ進化してきた。今回の展示は、その歩みの一つの通過点。神田日勝との邂逅を通して、彼女の新たなアップグレードに立ち会えたことを、とても嬉しく感じている。
企画展
「神田日勝×クスミエリカ 不在の気配、存在の痕跡」
会期:2025年6月25日(水)~9月28日(日)
会場:神田日勝記念美術館
休館日:毎週月曜日(祝日は開館)9月16日(火)、9月24日(水)
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